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ピアニストが絶対音感を持っている理由

現在、世界中で活躍しているピアニストは全員、絶対音感を持っています。絶対音感とは、音程の高低をチューナーを持たずに感覚的に把握できる能力のことで、この絶対音感があれば楽譜がなくても音楽を聴くだけで演奏することが可能となります。ここではなぜピアニストが絶対音感を獲得しているかについて、その理由をご紹介したいと思います。

絶対音感には、早期の音楽教育が必要

普通の人は絶対音感を持っていません。絶対音感を持っていないことを相対音感と言い、自分で正確な音程を取ることができないため、歌い始める前などに基準となる音を聴く必要があります。カラオケで歌いはじめに音が外れてしまうことがよくありますが、あれは絶対音感がないことから起こりうることなのです。

絶対音感の獲得には早期の音楽教育が必要です。通常10歳になるくらいまでに継続的な音楽教育、すなわち毎日ピアノやヴァイオリンといった楽器の練習をする環境にないと絶対音感は獲得できません。これは子どもの時に音楽訓練しないと、音を感知する脳機能が強化されないことが理由と考えられています。

ピアニストは全員、幼少時からピアノのレッスンをうけ始めている

現在、世界的に活躍しているピアニストは全員、幼少時からピアノのレッスンを受け始めています。オリンピックに出場する体操や卓球の選手たちが、かつて選手だった親から手ほどきを受け幼少時から競技の練習を開始しているように、ピアニストの多くは、親から厳しい指導を受けながら、早い場合には3歳くらいからピアノのレッスンを開始しているのです。

たとえば現在、高名なジャズピアニストとして知られる上原ひろみさんも6歳の時よりヤマハの音楽教室に通い、最初はクラシックピアノのレッスンを受けていました。

ピアニストになるレベルでは、そのように幼少時からピアノのレッスンを開始し、最低でも毎日2時間、長い場合では4,5時間ピアノを引き続ける生活を送るようになります。文字通り、ピアノ漬けの毎日を幼少時から過ごしていると自ずと脳の音を感知する部位が強化されて、絶対音感を獲得するようになるのです。

ただしピアノはキーを叩けば音がなる楽器であるため、管楽器のように呼吸や唇で音程を調整する必要がなく、ピアニストは他の音楽家に比べ、絶対音感の恩恵を受ける場面は少ないようです。しかしピアニストから指揮者に転身したウラジミール・アシュケナージのように、幼少期のピアノレッスンにより獲得した絶対音感を、オーケストラの指導に活かすという例も存在しています。