1. ピアノ買取
  2. ピアノ体験談
  3. ≫保育士資格を取るために苦手なピアノを克服した日々

保育士資格を取るために苦手なピアノを克服した日々

子供とピアノ

保育士の資格を取ろうと決めたのは、短大を卒業して企業に就職して3年目のことでした。セールスの仕事が自分に合わず精神的に落ち込む日々、近所の保育園で働く保育士が生き生きとしている姿を見て、子供好きの自分には向いているかも知れないと通信教育で保育士の勉強を始めました。

学科の試験勉強は何とか自分で出来ましたが、苦手だったピアノとコーリューブンゲンの試験勉強は独学では無理でピアノ教室に通うことにしました。

ピアノは小学生の時に親に無理矢理レッスンに通わされ半年間で止めてしまった過去があり、苦手意識が強くとても苦労しました。音痴でリズム感も悪いと自分では思ってもいました。

中古のキーボードを買って、一週間に一度ピアノの教室に通いバイエルから始めました。譜面も読めない大人になってからのピアノはなかなか上達せず、たどたどしい指先に何度も嫌になりましが、保育士を諦めることは出来ません。会社から帰ってからヘッドホーンをつけて練習していました。

保育士の資格試験はバイエルを終えらせたぐらいの力を必要としていて、試験もバイエルの中から弾かせるというものです。

試験までの8カ月でバイエルの教本を終わらせるという勢いで教室の講師にレッスンしてもらっていました。

半年を過ぎてバイエルの教本も後半になった頃には、だんだんピアノが楽しくなってきました。
気分転換にと映画音楽を易しくアレンジした曲も時々、練習させてもらえるようになると苦手だったピアノを自分が弾いているという気分に酔ったりもしました。

試験が間近になった頃、いよいよ試験項目のバイエルの局番が数曲とコーリューブンゲンの数曲が発表されてからは、レッスンでもその曲ばかり練習しました。

家でも毎日弾いていたので同じ曲ばかり何百回と練習していました。

そのため試験の当日は、自信もありすらすらと演奏出来て、自分でも完璧だしピアノで落ちることはないと確信していました。予想通りピアノは受かり、学科では全科目合格でした。

しかし一科目だけ、保育実技を落としてしまったのです。

保育実技は、提示された童話を語り聞かせるというもので、自分ではかなり童話を読んでいたはずでしたが提示された童話だけ全く知らないものだったのです。
それから半年後に保育実技の試験だけを受けて無事、全科目合格し保育士となることが出来ました。

保育士になってからも、ピアノはかなり苦労しました。

歌の伴奏や、楽器指導の伴奏など、子供の頃からやっている他の保育士に比べるとレベルは落ちると自分でも思っていました。

だからこそ電子ピアノを買って毎日練習して、トルコ行進曲やエリーゼのためになど夢だった曲を弾けるようなりました。

教室では小さな子供に混じって発表会にも出て映画音楽を演奏してみましたが新鮮な感動がありました。

大人になってから始めるピアノでもけっこう楽しめるものです。