時間がないときのピアノ練習法
発表会やコンクールまでに時間がないとき、短時間でそれなりに仕上げることができる練習法を紹介します。正攻法ではありませんが、筆者の経験では、2ヶ月の練習でコンクールの全国大会で入賞できるまでの成果がありました。
目次
1.弾く曲のレコードやCDを探して聴きまくる
時間がないからといっていきなり練習するのはNG。まずは、最初から最後までソラで口ずさめるほどインプットします。こうすることで、曲の流れや歌い方が自然とわかってきます。一人の演奏家に絞ってしまうと、のちのち弾くときにその演奏家のコピーになってしまうので、スタイルが異なる何人かのピアニストの演奏にあたるのがポイント。なかなか楽しい作業です。
2.通しで弾いてみる
1ページ目が弾けたら、次のページ…などとやっていては時間がかかりすぎます。まず初めて弾く際に、いきなり最初から最後まで通しで弾いてみましょう。いきなりなのでボロボロになってもやむなしですが、聴き慣れておいたことで、完全初見よりも格段に弾きやすく感じるはずです。そして、「ここは意外にいけそうだな」とか「ここは指まわりの練習を相当積まないと不味そうだな」とか曲に対しての戦略も立てやすくなります。
3.曲の構成を考える
どうにか通しで弾けるうようになってきたら、同時に「曲の構成」もつかみに行きましょう。これをつかむことで格段に練習がやりやすくなります。例えば、一つの曲は、A→B→A→C→Aなど、いくつかのパターンの組み合わせでできているもの。Aの繰り返し出てくる曲の場合、「Aは曲を通して弾く際に結局は一番たくさん弾くことになる。むしろBやCを意識的に弾けるようにするのが近道!」など、練習の作戦を立てることができます。小難しい理論とかは置いておいて、構成を自分なりに分析してみましょう。
4.弱点になりそうな部分を徹底的に練習
ここまで立てた戦略や分析を元に、特に難しかったり、練習量を増やしておいたほうがよさそうなパートを特定します。そして、その部分を、「フォルテでゆっくり」「付点でゆっくり」「スタッカートでゆっくり」などゴマカシの効かない弾き方で、繰り返し練習しましょう。ここが、一番キツイところですが、やるべきことは明確です!自分にご褒美を与えながらうまく乗り越えてください。
5.最初から最後までつっかえずに弾ききる練習
一通り弾けるようになったら、できるだけ早めに暗譜にとりかかりましょう。うろ覚えでも構わないので、とにかく最初から最後まで弾ききるのを意識します。この段階ではまだ多少間違えても構いませんが、「途中で手を離すのは厳禁」と肝に銘じて、繰り返し練習するようにしましょう。
6.通しで弾けるようになったら録音
ある程度通しで弾けるようになったら、録音します。「録音はうまくなってから」ではなく、まだ課題のあるうちから、「ぶつかり稽古」のつもりで録音して、早めに現実に向き合いましょう。録音を聴くと、自分の演奏が如何に貧弱か、表情がないか…など思わず赤面してしまうはずです。でも、その恥ずかしさがバネとなり、本番までの練習にスイッチが入ります。
いかがでしたでしょうか? 正直、苦しい過程もありますが、目標がしっかりしていて時間がない場合には非常におすすめなやり方です。成果は確実ですので、ぜひ必要な方は試してみてください!