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大人になってから再開したピアノの悩みと喜び

大人のピアノ

子供の頃に習っていたピアノを大人になって再開しようと思ったところ、殆ど強制的に練習させられていた時とは違う、わくわくするような期待と、大人になってからならではの、色々な壁が待ち構えていた。

まず、大人になってからの楽しみとして、歳を重ねるに従い沢山の音楽に出会い、自分もこんな曲を弾いてみたい!と自分のお金でCDを買いあさったり、情報収集したり、楽譜を買ってみたりすること。楽譜もそこそこ読めるので自分も練習したら弾けるかもしれないという淡い期待。

そしていざ練習を始めてみると、第一の壁が「指が思ったように動かない」。

頭では指がどう動くか感覚として覚えているのだが、指の筋肉が追い付かない。これには悔しいやら情けないやら、あんなに昔さらさらと弾けていたのに…!と現在の自分との技術の差に唖然とした。

これは子供の頃の、毎日のピアノ練習の前にさんざんやっていた「ハノン」がいかに役立っていたか、まざまざと感じさせられた。

第二の壁は、頭と指の「記憶力」だろう。

スムーズに弾けない箇所を何度も反復練習すれば指は動くようになる。しかし、そうなるにも子供の頃の何倍も時間がかかるのだ。何倍も歳を取っているのだ。仕方がないことであるがそれも受け入れて練習を続けるしかない。

好きな曲を弾くために。自分の為に弾いてうっとりするのも良し。誰かに聴いてもらうのも楽しみだ。そのために諦めず少しずつ続けよう。がんばれ自分!がんばっている自分はカッコいい。恥ずかしいけどこれぐらい思っていていいと思う。

第三の壁は、「練習時間がなかなか取れないこと」。

毎日練習することが大事な趣味であるスポーツや舞踊、武道などと同じで、楽器も日頃の鍛錬が結果に確実に繋がる。大人になって、この系統の趣味を続けるとなると、練習時間の取り方もなかなか大変なことである。

毎日1時間とはいかなくても、15分でも20分でも毎日ピアノにさわることが大切だ。それが無理なら、週一回1時間でも継続して練習することがモチベーションを保ち、上達に向かう近道になるだろう。

大人になってから、ピアノという身近な楽器にもう一度向かいあって、真剣に取り組むことができて自分の世界がまた一つ広がったような気がする。

ピアノコンサートを観に行ったり、お気に入りのピアニストを見つけたり、子供の頃ではできなかったことに踏み込んで止まらない。ピアノは楽しんで弾くもの。それが今、やっとわかったのである。