高価なピアノは何が違う?
ピアノの音は大きさで変わる
一口にピアノと言っても、どれも同じような価格帯にあるわけではなく、とても高価な物もあれば、極端に安価な物もあります。その価格を決める要因の一つは、ピアノの大きさです。
ピアノの低音域の弦を長く張れば、より豊かな響きを得ることができます。そのためには、ピアノの奥行きを長くしなければなりません。
そうすることで響板のサイズも大きくできますから、さらに音は良くなるのですが、その代わり完成させるための手間や苦労は増えます。これが価格に反映されるわけです。
きちんと楽器としてバランス良く完成させることができるなら、という前提条件はありますが、基本的には大きければ大きいほど良いわけで、コンサートで使われるような高級なグランドピアノの中には、3m近い奥行きを持つ物もあるほどです。
むやみに大きくできないアップライトピアノの工夫
アップライトピアノの場合も、やはり大きさによって音が変わってくるのですが、こちらは弦が垂直に張られているため、奥行きではなく高さを増やす必要があります。
しかし、その構造上、こちらは高くするにも限界があります。どれほど良い音が出ても、鍵盤が普通の人の手が届かない高さにあったら意味がありませんよね。また、一般の家庭に置かれることも多いですから、商業的な理由からも大きさに制限があります。
そのため、アップライトピアノではサイズが小さくても良質な音が得られるよう、構造や部品の研究が行われています。ですから、必ずしも大きい物が高いわけではなく、小さくても音が良く高価な物もあるのです。
高価なピアノは部品もハイレベル
今の話と関連しますが、ピアノの価格と音質はさまざまな部品の材質や品質にも左右されます。安い素材を簡単に加工した部品を組み合わせれば、生み出される音もそれなりになってしまいます。
「高価な木材と安価な木材」というレベルではわかりにくいかもしれませんが、それがプラスチックに変わっていれば、はっきりと違いがわかることでしょう。
良質な音を求めて大きなピアノを作る際に、わざわざ低コストな部品を選択するということは通常ありえませんから、高級なピアノは必然的により高価になってしまうわけです。