ピアノの種類について解説します
一口にピアノといってもその種類は大きく2つに分けられます。一つはグランドピアノ、もう一つはアップライトピアノです。
グランドピアノというのは、演奏会などで見られる大型のもので、上から見たときに特徴的なL字の形をしているものです。ピアノは本来この形でした。
【グランドピアノ】
ごく端的に言ってしまえば、アップライトピアノに比べてよい音が出る、とされます。
その理由は、弦の張り方、弦を叩くハンマーの構造によるところが大きいです。
弦は、水平方向に張られています。
その弦を、下からハンマーで叩いて音を出す仕組みになっています。
ただし、設置するのに非常に大きな面積が必要になります。
単に置くだけならばまだしも、その音の響きを十分に活かすためには設置場所の周りにも十分なスペース、空間があることが望ましいというか、必要とされます。
音楽のための部屋を一つ設けられるような家庭は別ですが、一般家庭ではおいそれと設置できるようなものではありませんし、たとえ設置しても十分な性能を発揮させることが困難です。
価格に関しては、ピアノに限らず楽器はどれもピンキリであり一概に言うことは難しいですが、同じような作り、ブランドであれば、アップライトに比べてはるかに高価であることも間違いありません。
一方で、演奏会やコンサートではよほどアマチュア的な場合を除き、まずグランドピアノが用いられています。音の響きが違うからです。
次に、アップライトピアノとは、その名のとおり、立てた形、縦型の形をしています。
【アップライトピアノ】
何か大きな戸棚のような形をしたピアノ、といえばこちらをイメージしてもらえるでしょう。
こちらはグランドピアノに比べると設置場所をとりませんから、あまり広くない学校教室や一般家庭などで広く使われています。
もともと、設置場所をとるグランドピアノを、何とかコンパクトにして、より狭い場所にも設置することができないか、という考えから作られるようになったものです。
グランドでは水平方向に張られていた弦を、90度持ち上げて、鉛直方向に張ることにしました。
それに合わせて、弦を叩くハンマーも下からではなくて、横から弦を叩くようになっています。
どうしてこのように水平から鉛直にしただけで、音の響きが違ってくるのか、というのは、種々の要因が絡み合っていて複雑ではありますが、最も大きな要因は弦そのものよりも、むしろそれを叩くほうのハンマーにあります。
下から叩く場合、叩き終わった後はハンマー自身の重みにより自然に元に戻ります。
ところが横から叩く場合は、叩き終わってもそのままでは元に戻りませんから、バネの力で戻すようにしています。そのためアップライトではどうしても早い、細かい動きに追随することが難しくなる、というのが大きな要因となっています。
さて、最近ではこの2種類だけでなく、電子ピアノというものがあります。
【電子ピアノ】
電子ピアノは、弦をハンマーで叩いて音を出すかわりに、音源として電子音を用いているものを指します。
打鍵時の感触は普通のピアノと同じようなものですが、そこから先は電子回路で音を出しているわけです。